GN Looks at Bluetooth® Trends We
Can Expect to See Next YearGNが語る2025年のBluetooth® トレンド予測

GNグループはインテリジェントな補聴・オーディオ・ビデオ・ゲーム機器を設計、製造するデンマーク企業で、長年にわたりオーディオソリューションを幅広く開拓してきた伝統を今も守り続けています。その製品には、Bluetooth^®ヘッドセットをはじめ、ステレオ音声を直接ストリーミングできAppleによる基準を満たした「Made for iPhone」（MFI）補聴器、高度な補聴技術を備えたオールインワンイヤホンに加え、補聴器の直接接続のための2.4GHz技術などがあります。100カ国以上で販売される同社のオーディオ製品やサービスには、Jabra、ReSound、SteelSeries、Beltone、Interton、BlueParrott、Danavox、FalComなどのブランドが名を連ねます。

先日、GNのヒアリング部門プレジデントを務めるスコット・デイビス（Scott Davis）氏にお会いし、Bluetooth^®に関連する同社の2024年の主な成果と、2025年のBluetooth接続に関する展望についてお話を伺いました。

GNのヒアリング部門プレジデント、スコット・デイビス氏のインタビュー

2024年を振り返ると、Bluetooth技術について最も重要な出来事、新技術、進展は何だったと思いますか。

2024年は、Bluetooth^® LE AudioとAuracast^™ ブロードキャスト オーディオを当社のReSound Nexiaシリーズの補聴器すべてに搭載し、シームレスな接続と極めて優れた音質を実現できたことを非常に嬉しく思っています。Auracast^™ ブロードキャスト オーディオの搭載により、聴覚に障害がある人々にとって、アクセシビリティ向上だけでなく日常の体験を豊かにする新しい可能性が開かれます。

GNにとっての2024年のBluetoothに関する最大のハイライトや、特に印象に残った出来事は何ですか。

2024年は当社にとってBluetooth LE Audioに関する分野で、飛躍的な年になりました。なぜなら、Auracast™ ブロードキャスト オーディオによって音声を補聴器に直接ストリーミングすることがどれほど大きなインパクトをもたらすかを、実際に目の当たりにしたからです。ハイエンドな専用ストリーマーに匹敵する、格別の音質を得られました。何より際立っていたのは、生のパフォーマンス全体にわたり、安定し、信頼できる動作が確認できたことです。

特に大きな問題なく、途切れなく忠実度の高いステレオ音声を提供することができました。注目すべきは、健聴者もAuracastによる音声を好んだことです。ダイレクトストリーミングによって、言葉の聞き取りやすさは大幅に向上し、室内の音響環境から受ける影響は最小限に抑えられていました。参加者による圧倒的な好評からも、この技術が秘める可能性の大きさは明らかです。聴覚障害のある参加者からは、この技術のおかげで改めて生のパフォーマンスを見に行きたくなった、という声もいただきました。この経験によって、人々のオーディオを楽しみ方が大きく変わる岐路に立っているという信念がいっそう強まりました。音声の聞き取りが難しい環境に関しては特にそう言えます。

2024年のBluetoothに関する成功事例または注目事例を教えていただけますか。

ReSound Nexiaのユーザーの皆様から、Auracast^™ ブロードキャスト オーディオのメリットについて数えきれないくらいたくさんのお声をいただいています。特に印象深い出来事は、当社が参加したIFAでのAuracast^™ Experienceです。このイベントは、当社の最新のBluetooth技術を披露する貴重な場となりました。来場者の皆様は一貫して、Auracast^™のデモンストレーションを通じた聴覚体験に非常に高い関心と熱狂的な興味を示してくださいました。

GN Multi Mic+とGN TV Streamer+についてもたくさんのお問い合わせをいただき、当社の製品エコシステムに対する関心の高さがうかがえます。Auracast^™ Experienceの中でこれらの製品を披露できたことで、複数の個人用デバイスにストリーミングを行うことの実用的なメリットを、他にはない方法で伝えることができました。好評な反応はこの技術の価値を実証するものとなりました。当社では、音を聞く際に想定される多種多様な状況・環境での当社補聴器のデモンストレーションを含め、今後の計画の参考としたいと考えています。

2024年、Bluetooth技術の進歩はGNにどのような影響をもたらしましたか。

Bluetooth^® LE Audioの進歩、特にAuracast^™ ブロードキャスト オーディオは、当社の製品開発ロードマップを大きく変え、私たちの補聴器の潜在的な可能性について定義し直すことを可能にしました。これらの進歩で補聴器のReSound Nexiaシリーズ全体にわたるユーザー体験を大幅に拡充し、極めて優れたオーディオ体験を実現しすることで、聴覚障害のある方々の生活向上に役立つ機能を提供しています。これによって、より高い顧客満足度とブランドロイヤリティの促進が実現しています。

2024年にはBluetoothのどのトレンドがGNに最も大きな影響を与え、GNではそれにどのように対応しましたか。

当社にとって極めて重要だったのは、より堅牢で低遅延オーディオストリーミングを目指すトレンドです。GNでは補聴器における革新の歴史に誇りを持っており、特にBluetooth接続に関しては強い思いを持っています。当社が持つBluetooth LE技術を前進させることへの熱意が、MFIとAndroidの両プラットフォームでの音声伝送の独自プロトコルの開発へと結実し、電話との直接接続が実現しました。

しかしながら、業界標準がないために、補聴器におけるBluetooth接続の普及は迅速に進まず、ユーザーのメリットが損なわれていました。当社は、補聴器ユーザーにとどまらず、すべての人のアクセシビリティ向上に向けた業界標準の重要性を理解しており、そのため補聴器ワーキンググループの立ち上げに協力しました。GNはBluetooth LE Audioの開発に尽力してきました。それによって、補聴器分野での革新とアクセシビリティの促進に対する当社の決意を強く示すと同時に、競争の激しい分野において当社が先行してユーザーの需要に効果的に応えることも可能にしています。

2024年にBluetooth技術に関してお客様から最も多く要望が寄せられた点は何ですか。

デバイスへの直接接続は、補聴器ユーザーの満足度を高める要素のトップ3に入ります。ユーザーは複数のデバイスとシームレスにつながることを求めており、Auracast^™技術が当社製品の中で非常に好評を得た理由もその点にあります。自分の周囲の環境とより容易に関わるためのソリューションに対するユーザーの需要は、ますます高まっています。

補聴器ユーザーは、個人デバイスからオーディオをストリーミングする際のBluetooth®技術の利便性と信頼性も、高く評価しています。当社では常に、これらの体験の最適化と、幅広い種類のデバイスとのシームレスなつながりを確保するための努力を続けています。

GNでは2024年にはどのようなBluetoothの新技術に重点を置き、2025年にはどのような点に注力していく予定ですか。

2024年はAuracast^™技術を使用したユーザー体験の向上と、当社製品のラインアップの拡大に焦点を当てました。また、この画期的な新技術のメリットについて、聴覚ケアのプロフェッショナルを対象とした啓発にも重点を置きました。

2025年も引き続き、当社の補聴器におけるAuracast^™ ブロードキャスト オーディオ機能をより洗練させ、強化していきます。また、Bluetooth技術の新しい応用方法を探り、全体的なユーザー体験向上に努めます。パーソナライゼーションとシームレスな接続が、引き続き主な重点項目となるでしょう。

2025年以降もBluetooth技術が進化を続ける中で、今後どのような可能性が出てくると予想していますか。

Bluetooth^®技術は次世代の補聴器・聴覚補助技術の発展において極めて重要な役割を果たすでしょう。アクセシビリティの向上と、聴覚に障害のある人々が排除されないインクルーシブな環境の整備を進めていく上で、Bluetooth技術は計り知れない可能性を秘めていると考えています。その技術が進化を続けるに伴い、オーディオがシームレスに日常生活に組み込まれ、コミュニケーションやエンターテインメント、全体的なウェルビーイングの向上に貢献する未来を予想しています。

Auracast^™ ブロードキャスト オーディオは世界的に普及が拡大し、特に相互運用性の強化とスマートな統合がトレンドの中心となるでしょう。複数ユーザーでのオーディオ体験の促進は、補聴器の新たな標準となります。この機能に対応するデバイスが増えるにつれ、こうした機能を持つ補聴器に対する需要も急速に拡大し、補聴器業界における革新と普及を推進すると予想しています。

この革新の最先端に当社が位置し、よりつながりのあるアクセシビリティの高い世界の実現に貢献できていることを、とても嬉しく思っています。